西穂高岳⇒奥穂高岳⇒槍ケ岳縦走(テント泊)
3日目 2024_09_13 奥穂高岳山荘からババ平キャンプ場まで 10.8km
今日は涸沢岳を経て、涸沢岳の激下りを怖いのをがまんして通過、北穂高岳に登り、そこから大キレットを通過し、南岳まで登って大喰岳を通って、槍ケ岳山荘を通過、そしてババ平まで下ってテント泊です。
今日は大キレットを通るのですが、キレットとは「切土」と書きまして、山のくぼんだところを言います。では、「峠」は、「鞍部」は、「乗越」は、「コル」は・・・。
山の向こうの隣村や隣国へ行くには山並みのピークとピークの間のできるだけ標高の低いところを通りたいというのが自然な流れです。そこで、各地に山々のピークとピークの間の凹んだところを乗り越えて行く道が自然発生的に生まれました。この乗り越える部分を峠といいます。この峠の先に道がつながっていない場合は、ただの「乗越」になります。
一方、登山で山岳縦走の場合、谷筋にはいらず、できるだけ尾根筋を通ったほうが安全で体力温存になります。山々のピークとピークの間の凹んだところをコルといいます。コルは日本語では鞍部のことです。コルの中で、生活道路と交差するところ、即ち、峠や乗越を横切ることもあります。
そして、コル(鞍部)の中でも特にV字状態に深く切れ込んだ場所のことを「切土」、キレットと言います。その中で大規模なものが「大キレット」です。
日本の3大キレット、「不帰ノ嶮」「八峰キレット」「大キレット」の中で最も難しいのは大キレットと言われています。
夜に雨が降ったようですので、岩が濡れているようです。涸沢岳まで行く間に乾いてしまうくらいの時刻にスタートして、ゆっくり歩き、涸沢岳の絶壁下りの頃には完全に乾いているくらいが良いと考えています。
きびしいのは涸沢岳から北穂高岳区間だろうと見ています。北穂高岳を過ぎて、大キレット区間は、それほど危険なところはないとみています。
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ここにテント張った。狭い。画面には見えていない奥に張る人は石積みの石を上を移動しなけばならない。
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20分くらいで涸沢岳
岩場はずいぶん乾いたようなので、下りはじめます。が、「えっ、こんなところ下るのか」という絶壁から始まりす。鎖は濡れている部分もありますが、100円ショップで買ったゴム手袋は濡れた鎖でも滑らないということが、昨日の岩登り、下りで実証済です。
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下ります。かなりの急こう配です。
ここから最低のコルまで、水平距離で300mほどの区間が難所と言われているところですが、どんなところでしょう。
今回の縦走で最低のコルと呼ばれているところが2か所ありまして、ひとつが、ここ、涸沢岳を下って北穂高岳までのいちばん低い窪み。もう一つが北穂高岳から南岳までの間のいちばん低い窪み、その2か所です。
下ります。本当に下が見えないくらいの絶壁です。
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下る途中から槍ケ岳を眺めます。
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下ってきた崖を見上げています。日が照っているので、岩肌は乾いています。
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今から向かう連続崖、左手に槍ケ岳。下っては登り、下っては登りの繰り返しですが、登り下りを繰り返しているだけで水平方向の移動は、ほんのわずかしか進みません。
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東の方を見ると雲。ユーチューバーの方が何か考え込んでいる。
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ずいぶん下ったところで、再び後ろを見上げてみる。
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こんなかんじの崖でした
この枠のところに人がいます。
人の大きさがこれくらいです。この人たちが崖を下ってきます。
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10分ばかりして、また振り向いてみると霧が出て来た。
ここです。
ここに人が写っています。このようにして下ってきます。
クリックすると拡大します。
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40分はかり歩いて再び振り返って見る。
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では、先の方はというと、このような崖を歩かされる。白○がついている。奥壁バントと呼ばれる難所だそうです。
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10分ばかり岩場のトラバース、斜面を這いつくばっていきます。
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そして、縦上り。昨日もそうでしたが、今日も一日中、懸垂の連続です。かなり練習をしてきたのですが、やはり、すぐに息が切れる。ハーハーいって上って行きます。
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槍がすぐそこに見える。
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さらに上りまして。
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北穂高岳頂上。札の左先に槍ケ岳が見えたのだけど、カメラをセットした霧に隠れた。撮りなおしても仕方がないので、進みます。
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わずかに槍の先っぽが見える。
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北穂高小屋に到着。
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中岳小屋がわずかに見えます。その先に中岳、大喰岳、槍ケ岳。
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小屋のテラスでコーヒーを飲む。これはおいしかった。
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出発します。激下りです
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ほぼ垂直の岩場を上り下りして行くわけですが、昨日の間ノ岳、ジャンダルムあたりの岩場ほどのスリル感はない。規模が小さく、すべてに鎖がついていて安全だという感覚があるからでしょう。
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南岳あたりのなだらかな山道が見えますが、足元はやはり難所が続きます。
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こんなとこ下ったり。
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こんなとこ、トラバースしたり。
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また、下る。
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この先どんなところを歩かされるのか、とはいえ、先ほども書きましたが、昨日の方が険しかったような気がします。
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ユーチューバーの方が撮影しています。
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飛騨泣き
この付近から長谷川ピークのあたりまでは、急な上り下りが連続します。大キレット通過において、特に難所と呼ばれているところらしいです。後で写真を見たら、ここが飛騨泣きでした。
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知らないうちに飛騨泣きを下りきってしまった。
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真ん中のコブを下ったところが、最低のコルだろうから、長谷川ピークはもうすぐだろう。
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ユーチューバーの方がまた、何かを撮影しています。
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桟道橋が見えて来た。
○印のところから下をのぞいている人 ↓
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このあたりが「A沢のコル」らしい。
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この山を登って。
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さらに、ここを登って。
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ここも、登っていきます。下りてくる人もいます。クリックすると拡大します。
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ここも、登る。長谷川ピークへ向かいます。
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そして「長谷川ピーク」
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これが、写真でよく見る目印です。
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長谷川ピークを過ぎて。
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これから歩く道すじ。
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また、こんなところを登らされる。上に人がいる。
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そして、こんなところを下る。
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どうにか、最低のコルが見えた。
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最低のコル。これから先はずっと上りです。
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ずーっと上りが続きます。ストックがほしいところですが、持ってきていない。というより、そもそも持っていない。今までの山登りは、いつもそこら辺にある棒切れを拾って杖にしていましたからね。
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見えている岩をじりじりと登っていかなければなりません。
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鎖に掴まり登っていきます。
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そして、最後の上りハシゴです。左端にハシゴが写っています。
これで難所と言われるところはすべてクリアしました。
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南岳小屋に到着
ここで水補給とCCレモンかなにか飲んで力をつけて、さらに進みます。
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南岳
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なだらかな道が続きます。ここを歩き始めて気が付いた。やはりストックが必要でした。岩山の上り下りが続くので、杖はいらないだろう、と、考えたのですが、このような道だと、やはり必要でした。疲れかたが全然違う。
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中央に見えるのは屏風の頭
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槍ケ岳が現れました。小槍は見えない。
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中岳通過
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大喰岳通過
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飛騨乗越分岐点
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槍ケ岳山荘到着。さて、昼飯食べられるか?
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昼ごはんは売り切れでした。しかし、小槍が見えた。
標高3030m、一万尺ぴたり、ただ、さすがに、あの上ではアルペン踊りはできないでしょう。でも、ロープかけて登って、輪になって踊っている人たちをユーチューブで見たことがある。
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槍には前回来た時に、霧の中、登ったので今回はパス。
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ここで考えた。殺生ヒュッテで1泊テント泊して、燕岳に向かおうか、と。色々な理由で今回は帰ることにした。
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ババ平のキャンプ場へ下りることにした。
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テント受付は帰りに槍沢ロッジでやろうと思っていたら、出張受付の方が小屋に来ていて、そこで受付できた。
次の日
ババ平キャンプ場から上高地まで
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