甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳

甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳を一度に縦走 16_10_06〜07
甲斐駒ヶ岳は南アルプス、赤石山脈の北端に位置する標高2,967mの山です。
全国に駒ヶ岳を名のる山は20座を超えているという。その中で最も高いのが甲斐駒ヶ岳である。登山標高差の大きい山である。尾白川渓谷から黒戸尾根経由で山頂まで登る場合、尾白駐車場の標高が777mなので、山梨県側は麓から一気に2,190mの標高差で立ち上がっている。
富士山の場合、富士山が3776-2400=1376mなので、登る標高差としては段違いに、こちらの方が大きい。
北岳の場合は3193-1529m=標高差1664mなので、やはり甲斐駒ヶ岳の方が大きい。では標高差日本一かと言うとそうではない。上がある。劔岳だ。劔岳は標高が2,999m、馬場島の標高が750mなので 標高差2,249m。登山標高差では劔岳が最も大きい。甲斐駒ヶ岳は日本では登山標高差としては2番目。(ここでは累積標高のことは考えない)。今回、尾白駐車場からいっきに登る。

仙丈ヶ岳は山頂からの眺望がよい。近くには甲斐駒ヶ岳、鋸岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳が見える。南には塩見岳、東は大菩薩連嶺、富士山、北には早川尾根、八ヶ岳、奥秩父の峰々などが見える。遠くには北アルプスの山並みが見え、西の方、伊那谷の先には中央アルプスが並んで見える。
逆に言えば、仙丈ヶ岳は様々な山から見ることのできる山で、特に雄大なカールは色々なところから見てすぐにわかる。

高い山からは他の山をたくさんみることができますが、仙丈ヶ岳からは日本百名山を52山見ることができる。甲斐駒ヶ岳からは53山見ることができる。ちなみに、富士山からも、53山見ることができるそうです。

通常は甲斐駒ヶ岳も仙丈ケ岳も北沢峠からそれぞれ日帰りで登ることができるが、今回は、尾白駐車場から登り、甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳を一度に縦走し、高遠方面柏木に下り、自転車で杖突峠を越えて茅野をまわって帰ってきます。

1日目 尾白渓谷駐車場から甲斐駒ケ岳を経て北沢峠まで
尾白渓谷駐車場から甲斐駒ケ岳を経て北沢峠まで歩き、テントを張ります。16_10_06 晴れ 13.2km

甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳登山。白州から登ります。高遠方面柏木にある地蔵尾根駐車場に前もって自転車をデポしておきます。途中北沢峠でキャンプ。

スタートは尾白渓谷駐車場です。
甲斐駒ケ岳へ登り、北沢峠へくだり、そこでテント泊1泊、次の日、仙丈ケ岳へ登り、柏木へくだり、デポしておいた自転車で152号線、杖突峠を越えて、20号線で白州尾白渓谷駐車場まで戻ってきます。

まずは前日に山の反対側の柏木にある地蔵尾根駐車場に自転車をデポしておきます。この段階では、駒ケ岳、仙丈ケ岳の通り抜けができるのか・・・半信半疑です。もし、途中で断念した場合、車で自転車を取りに、もう一度来ることになります。

帰ってきて、こちらは尾白渓谷駐車場の下見。
明日の朝、ここからのスタートです。
近くの道の駅「はくしゅう」で車中泊

1日目・・・
白州尾白渓谷駐車場からスタートです。


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朝、5時半のスタートです。

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ずーっと急な登りがえんえんと続きます。
富士山の標高は3776m、富士山新五合目が2400mくらい、
標高差1400mくらい

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甲斐駒ケ岳は2967m 尾白駐車場が770m、
標高差2200mくらい
甲斐駒ケ岳の方がはるかに高いことがわかります。
富士山は1400mくらいしか登らないのです。
それに、途中、100mほど下って上りますので、標高差はさらに大きいことになります。
で、高さだけで言うと、甲斐駒ケ岳は日本で24番目、近くにある北岳が3,193mで2番目。
富士山が見えます。

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富士山の弾丸登山はよくない、とか言いますが、富士山五合目からの標高差は1400m程度です。
こちらは、2200mに下って上る、が加わります。2200m+α です。
実は、こちらの方がたいへんなのです。

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いよいよ石山になってきました。
刃渡りが近いということでしょう。

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刃渡りです。

刃渡りは、このように、しばらく刃が続きます。
刃渡りというより、のこぎりの刃渡りです。

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こからの眺め。八ヶ岳がみえます。

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ハシゴ区間にはいりました。

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黒戸山を巻いて、道は100mばかり下って、また上ります。そこで、一時的に見晴らしがよくなります。
駒ケ岳がみえます。

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もう一度、少し下って、上ります。

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さらにハシゴ

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再び、少し下ったり、上ったりして進みます。二段橋。古い橋の上に新しい橋を架けてあります。

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そして、また、ハシゴ
ここから、駒ケ岳頂上まで、もう下りはありません。

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急坂を登って

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鎖場。ぶらさがって登ることになります。腕の力が必要です、が、それより杖が邪魔になります。

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急坂

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七丈小屋に到着
本来の予定は、ここのテント場に宿泊でしたが、早すぎました。
この調子で北沢峠まで歩き、そこで一泊します。

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七丈小屋のテント場からの眺めです。

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再び、振り返って、八ヶ岳がみえます。

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手前に見えているのは黒戸山でしよう。
黒戸山の向かって右側をまいて登ってきました。
ずーっと先に細長い山が「韮」のように右へ伸びています。その伸びた先にある町が韮崎。20号線は韮に沿って左方向へ一直線。ぐるりと曲がって手前に向かってくるのが大武川と612号線でしょうか。

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さて、振り返って、駒ケ岳を見ると、まだ、まだ遠いです。
どこを、どのように登ったら、頂上にたどりつくか、ルートを開拓するには、すごい労力が必要だつたのではないか・・・。

長野県諏訪郡上古田村に生れた小尾権三郎によって、この山が開山されたのは、文化十三年(一八一六)六月十五日(旧暦)のこととされる。数十回の難行苦行の末に、漸く山頂に到達し得たのであった。「駒ケ嶽開山」 小尾権三郎氏より。

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こんなところを登っていきます。ルート開拓にあたって、たぶん、ここしか上るところはなかったのでしょう。足が短いうえに股がひらかない。なかなか上りにくいです。

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まっ縦に上るところがあります。杖が邪魔なのですが、登った後また、使いますので、なんとか握ったまま、あるいは腰に刺したりして上ります。

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この場所に、この時刻。このようなものが立ててあるので、頂上かと思いたくなりますが、まだまだ登ります。

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右の方の山は地蔵ケ岳、高嶺、観音ケ岳

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この岩のてっぺんに乗っている人の写真を見たことがありますが・・・こわそう。

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駒ケ岳・・・いよいよ着きました。2200m上ってきたことになります。しつこいようですが、富士山は通常の、五合目からの歩く場合の標高差は1400mしかありませんからね。

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駒ケ岳頂上

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明日登る予定の仙丈ケ岳です。

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北沢峠へ向けてくだりますが、すなおにストレートに下れるわけではありません。下ったり上ったりしながら下っていきます。まずは、駒津峰へのぼり、そこを乗り越えます。

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振り返ってみています。真っ白な山、これは花崗岩です。花崗岩とはなんぞや・・・。地下のマグマが地殻内で地下深部にて冷却固結した結晶質の石材。
後日、北岳から見た甲斐駒ヶ岳

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ここで、道が2つに分かれます。
北沢峠へ行くのに直接降りるのと仙水峠を通るのとに別れます。
北沢峠へ直接行くと1時間、仙水峠を通ると1時間10分。迷わず、直接北沢峠へ降りる方を選んだのですが、間違い。テント場のある長衛荘は北沢峠から仙水峠へ向けて10分ほどかかります。となると、仙水峠まわりの長衛荘は1時間、北沢峠まわりの長衛荘は1時間10分・・・。逆転です。
仙水峠へ降りるべきでした。

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ということで、尾根筋を北沢峠まで下りてきました。ここから、テント場まで、まだ歩きます。

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平日にもかかわらず、たくさんのテントが張ってあります。今度の土日は、すごいにぎわいになるでしょう。
天気次第でしょうけど・・・。

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いちばん端っこにテントを張って、めしを作ります。
アルファ米が主食、グラノーラをスキムミルクで解いたものがデザートです。
これで結構腹にたまります。
アルファ米も、ものによりけり、そして、お湯を入れてからの時間です。インスタントラーメンと同じで、伸びきったもの、ふやけたものはおいしくない。
少し固めがよい。

次の日に続きます。


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