山のたより (1) 山のたより (2) 山のたより (3)


山歩きは健康に良いということは疑いのないことです。
その山歩きを仕事として行っている人たちもいます。山の仕事のひとつ、間伐作業を行いました。


間伐作業
まばらに植えられた杉や檜は下の方が太く、先端に行くに従って細くなります。好き勝手に伸び、枝を張っていきます。木の成長としてはまっとうなのですが材としての商品価値は低い。材木に商品価値を持たせるためには、まっすぐに育てる必要があります。
杉や檜、松などの針葉樹は成長した森からは想像できないくらい密集して植えられます。
密植された苗木は幼齢期に早く樹冠をうっぺいさせることによって下草の発育を抑え、下刈り期間を短縮し、若齢期にお互いに競争させることによってまっすぐに伸びてもらいます。
では、どれくらいの密度で植栽するかというと、ha当たり3,000本程度です。

ha当たり3,000本植えられた苗木は何度か間伐を行い最終的には500〜600本になります。残るのは本数にして1/5程度です。
間伐して伐採された木はまだ小さいので、しばらくは何の利益も生まない捨伐の時期が続きます。
ある程度年数を重ねた間伐材は主伐材に準じる商品価値を持つようになります。最終的には3回以上の間伐を行います。

1回目(15年生頃)切り捨て間伐。植栽後15年頃に、本数にして30〜35%を切り捨てます。
2回目(25年生頃)25年生前後に、本数にして30〜35%を間伐します。この径級に達すると、心持ち柱材1玉が収穫できます。
3回目(35年生頃)35〜40年生に35〜40%の間伐を行います。この間伐によってha当たり800本ぐらいの木が残ります。
計算・・・3000*(1-0.3)*(1-0.3)*(1-0.4)⇒882本
さらに、間伐を繰り返して最終的には最終的には500〜600本にします。

今回は3回目の間伐なので心持ち柱材2玉がとれるはずですが、捨てます。林道から遠く、材の質も良くなく、本数も少ないためです。
切り捨て放置です。
ただ、放置と言っても、立ったままにしておくと危険ですので完全に倒しておきます。この完全に倒すという作業が大変なのです。
完全に倒すという作業は根もとを切るだけの作業よりも数倍の労力を要します。とくに檜は枝が多く、その枝が強く折れにくく近くの立木によたれかかり倒れにくいので労力を要します。




樹冠を見て、お互いに触っているようなもの、まっすぐでないもの、。二股のもの、枯れかかっているもの、などを選んで切り捨てます。
切り捨てた後、立木が等間隔に残るように、さらに切り捨てます。切ったあと「間違った、残すべきだった」と思っても、一度切った木は元には戻せませんので慎重に選びます。と言いたいところですが、間違っても大丈夫です。数年たてばぽっかりあいた穴もすぐに埋まってしまいます。そして「もっとたくさん切っておけばよかった」と思うほどに林内は修復してしまいます。



倒れやすい方向へ倒していきますが、これくらいの樹齢になると必ず他の木の幹や枝にひっかかってしまいます。
そのときには、ひっかかった木の幹の胸の高さくらいのところをさらに切って倒します。再びかかったら、さらに切ります。そうして次々に切って、1mと少しくらいの長さの丸太が林内にたくさん転がることになります。
つまり一本の木を倒すのに何本も切るのと同じ作業が行われるのです。根っこをシャンと切って、はい、一丁あがり、とはいかないのです。



樹冠のあいている方向へ倒すのですが、木の傾いている方向と樹冠の空いている方向が一致するとは限りません。
そのときには、倒したい向きに切り込みを入れて倒すのですが、それでも思ったとおりに倒れてはくれません。背の部分にクサビを打ち込んで倒します。しかしクサビも効かないことがあります。そのときには、やはり下から次々に輪切りにして短くしていきます。



平らなところばかりではありません。急な斜面で地面がズルズルしていて踏ん張りがきかないところもたくさんあります。立っているだけでズルズルと滑っていくような場所もあります。足場をがっちり築いて、周りの下木を払ってきれいにしてから作業にかかります。倒す前の準備も大変です。危険な刃物を持って危険な斜面で危険な大木を切り倒す作業は、何にしても危険の塊です。
チェンソーを持ったまま滑ったら、即座にエンジンを止めます。エンジンを止めた状態で滑っていきます。チェンソーのエンジンは片手で止められます。
コンパクトカメラで動画を撮っていて後ろ向きに転んでしまいました。そのまま何度か後ろ向きに回転しながら谷底まで行ってしまいました。あとでカメラを見てみたら、落ちていくときの空や木の枝や地面などがめまぐるしく写っていました。レンズが引っ込まなくなった。壊れたな・・・。と思いましたが、バッテリーを抜いたり、入れたり、叩いたりしてみたら回復しました。カメラのスイッチは片手では押せません。




馬刺しを食べる。
馬刺しをごちそうしてもらった。
左手前が馬刺し、その奥が鯨の心臓の刺身、中央がホルモンの唐揚げ。




道つくり、道の補修
一応、道らしくなりました。昔の形を散り戻した道です。
この道は昔、木炭を背負って、シイタケ籠を背負って通った道です。
桟橋を作りました。角材を渡して鉄の棒で縦穴をえぐって鉄の棒を差し込み横から挟み込んで、ずれないようにしてあります。


道つくり
登山靴を履いていようが、地下足袋を履いていようが、山道は道がなければ歩けない。必ず道は必要です。とくに荷物を持って移動する場合、道は必需です。
歩いているぶんには何にも感じませんが、いざ自分で道をこしらえてみると、それは大変な作業です。相手は土ばかりではない。石ころが出てくる。岩にあたる。木の根っこが邪魔する。鍬で掘って、鶴嘴でほじって、ゲンノウで叩いて、鉈で切って、鋸でひいて、ジョレンで泥を掻いて少しずつ進みます。ところどころ、橋を架けたりします。


イノシシの肉
そして、もらったイノシシの肉を焼いて、煮て食べる。
鹿もよく獲れるのだけれど、鹿の肉はあまり好まれない。
理由は「うまくない」のです。
せいぜい部分的に刺身用肉をとって食べるだけ、それに比べてイノシシは焼いても煮てもうまい。
もらいものではありますが、イノシシが手にはいりましたので、まずは焼いてたべます。


イノシシの肉


ワナかけを趣味にしている人がいて、「お宅の山で獲れたイノシシだよ」と差し入れしてくれたイノシシの肉。 塩焼き


ャンコ鍋にしてみた。
ちゃんこ鍋といっても麺はちゃんぽん麺を使ってみた。
次に、キムチ鍋にしてみた。


境界調査
5林班
遠くの山々が見える。
5林班


山の見回りで欠かせないのはツル切です。
ある程度大きくなった木は間伐、除伐などの作業は必要なくなり森は安定してきますが、ツルだけはいつのまにか伸びてきます。
このツルが問題です。写真は見たところ自然林の中のツルで、何にも問題なさそうですが、手前は檜の人工林です。このツルを切っておかないと人工林の方へ伸びてきて檜に巻き付き、やがて頭を押さえて檜を枯らします。遅すぎるツル切りではありますが、切らないよりは良い。


7林班 7林班
7林班 7林班
7林班 7林班
1林班 2林班
昔は橋があったのだけれど、今はない。
冬の川は水位が安定しますので石の上がぬるぬるしてきます。
川を渡るときは、必ず杖をついて渡る、でないと、滑ってしまいます。
赤蜂が巣をかけていた。スズメ蜂ともいう。
ずいぶん涼しくなったので、出入りする八もわずかしかいない。
それもまたさみしい。


干し柿
柿がなったのでちぎって
干し柿にした。
まず、剥いて、熱湯消毒して、焼酎でアルコール消毒して、そして乾した。
夜はストーブの上に吊るしておいた。



境界調査 その2
5林班 5林班
5林班 5林班
5林班 1林班
1林班 1林班
1林班 4林班
モミ乾し、精米、蒟蒻作り
モミをもらったので乾かしている。 蒟蒻を作っていた。
もらったモミを精米している。 セルフ自動精米機
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