黒部「下ノ廊下」を行く(テント泊)
2014_10_28〜14_10_30
10月29日,30日とも晴れ
黒部ダム⇒阿曽原温泉小屋(18km) 、阿曽原温泉小屋⇒欅平(10km)
下ノ廊下は、北アルプスの黒四ダム
から仙人谷ダムまでの歩道のことで、黒部渓谷の核心部になります。
ここは切り立った渓谷沿いを歩く上級者向きの登山ルートです。危険個所が連続するうえに、開通期間も、雪のない一年のうちほんの1か月前後しかなく、なかなか行けないところです。
下ノ廊下は登り下りは少なく全体的に平坦であるが、黒部峡谷沿いの断崖絶壁に沿って長い道のりを歩く危険箇所の多いコースである。
高度感のある非常に狭いルートが続く。岩盤をくりぬいてたコの字の中、屋根の下を歩くような道が続く。柵はなく山側に一本通してるワイヤーを手すりの代わりにして歩く。ワイヤーを掴むのに気持ちが集中していて、対向する人とすれ違う時以外は高さに怯える暇はない。
怖さでランク付けすると、ジャンダルム、大キレット、劔岳、下ノ廊下の順だそうです。
この道は電源開発の調査目的で作られたもので戦前から行われてきた。距離は約16.6km。それから欅平までは「水平歩道」が延びている。その距離は約13km。
ところで、黒部湖から上流は「上ノ廊下」、さらに薬師沢小屋から黒部川の最上流までを「奥ノ廊下」と言われている。
天気予報を10日前くらいから、追いかけ、おいかけして、どうにか、3日続けて晴れそうな日を選び、
休みを調整して出かけることができました。
予報は日を追うごとに、みるみる変わります。
だいたい後ろに押していくことが多いです、そして、すこーしだけ、良くなっていきます。
阿曽原温泉小屋の営業が30日の泊まりまでということでしたので、
ぎりぎりセーフというところでした。
天気は良かったのですが、日本列島上空に寒波が入りこんできて、朝晩はとても冷えました。
扇沢行きのバスから見た道路沿いの温度計は、8時前の段階で3度と表示されていました。
標高はそれぞれ(扇沢1433m 阿曽原温泉小屋860m)
阿曽原温泉小屋は扇沢より、かなり標高が低いけれども、谷間ですので、零度近くまで冷えたのではないかと推測します。
あとで書きますが、テントの中の防寒に力を入れました。
出発当日朝まで黒部ダムライブカメラ、猿飛峡砂防カメラを参考にしました。
天候、その他の条件が合致しないときは、計画は即座に中止し、引き返します。
そのため、予約は入れてありません。
つまり小屋がなくても一晩、二晩は過ごせる形にしています。
食料と寒さに、力を入れて準備したつもりです。
1日目=松本 ホテル宿泊
2日目=⇒松本⇒信濃大町⇒扇沢⇒黒部ダム⇒阿曽原温泉小屋 テント泊
3日目=⇒阿曽腹温泉小屋⇒欅平⇒宇奈月温泉⇒電鉄黒部⇒JR黒部⇒糸魚川⇒南小谷⇒信濃大町⇒松本⇒東京
GPSを持って歩いているのですが、空が狭い・・・・ので、GPSが暴れる・・・結局、あとで手で修正しています。
2014/10/28〜29
黒4ダムから欅平まで歩きます。
松本で1泊しています。
松本を始発で出て、信濃大町で下りて7時10分発
扇沢行きのバスに乗って、ここまで来ました。
途中全く乗り降りがなかったせいもあって30分くらいで着きました。
0743
扇沢7時43分
トロリーバス切符売り場
平日ですので、誰も並んでいません。
荷物は10kgを越えています。(自宅で計っておいた)
15キロでしたので、手荷物自己申告で200円払い。
0817
ダムに到着 時刻どおり、16分かかりました。
皆さんは左手のダムサイトの方に行きますが、登山者はまっすぐ・・・
0818
ここまで歩いて、左のトイレを抜けるとダム下へ行く登山道へ出ます。
0819
外へ出ると、立山は雪
0834
川へ下ります。
3人組の登山者の方々・・・
この方々と、しばらくは後になったり、先になったりしながら進みます。
が、途中から完全に離されてしまいました。
0836
黒四ダム下の川
黒四ダムには、あんなに水があるのに、
ここはほとんど水なし。
黒部ダムライブカメラ
川を渡り、ずっと左岸を行くことになります。
0910
道は普通の登山道で、これといって危険なところはない。
先ほどの3人組の方々。
縦列に並んで、もくもくと歩く姿は、かっこいい、感動的です。
0910
小さな沢を渡るときも、手すりのついた橋があるので安心。
ここが内蔵助谷の出合い
0934
先を歩いておられる、先ほどの3人組の方々。
見ていて、やはり、かっこいいですね。
ひとりは女性の方です。
0939
一方、こちらは「石ばっかり・・・」言いながら、よろよろと進む。
1025
ずーっと左岸の岩場を進んでいきます。
1027
岩をえぐって道をつけてあります。
この辺から谷が遠くなり、つまり
谷との高度差が大きくなり、
絶壁になってきますが、
1031
左手の番線のてすりがありますので、
谷との高度差はほとんど気にならない。
1038
1040
3人組の方々に追いつきましたよ。
集まって、何か相談しています。
1102
今日は18キロくらい歩く予定です。
1103
3人組の方々の姿は見えなくなりました。
すっかり離されてしまったようです。
1103
1107
1113
沢登りや沢沿いの道で、難しい滝や岩場などを避けて迂回して悪場の先に出ることを「高巻き」と言いますが、まさに、ここがそうです。
点々のように高巻きします。
1115
1118
このハシゴ、よく作りましたね。
ただ組み上げただけだと、岩壁から離れてしまいます。
ここは、しっかりくっついていて、安心して上り下りできます。
1120
谷幅が狭くなってきて、向こう岸に手が届きそうですが、
そうではありません。
スケールが大きすぎて、ものすごく近く見えるのです。
1131
ここでお昼。黒部別山谷
1138
先ほどの3人組の方々です。
1158
オーバーハングの岩の上を進んでいきます。
歩いている本人は、今、どのようなところを歩いているかわかっていません。
1201
谷が狭くなりました。川幅はこれだけです。
この辺が白竜峡
1204
この辺が白竜峡というのでしょうか。
この3人の方々は、先ほどの3人の方々とは違います。
2人連れに、ガイドさんつきの方々です。
ガイドの方が谷の方、絶壁の方に立って説明しています。
このシチュエーションはすごいですね。
1210
ほんとうに狭いところを水が流れています。
1251
さらに40分ばかり歩いて川幅が広くなって。
1303
今日、明日、天気予報は良い。降水確率は0%です。
傘はいらない。
ここを通過するためにだけ傘を持ってきたのです。
が、しかし、濡れた。
「変な小細工するより、さっさと渡ったほうが濡れなかったよ」と
1316
そして十字峡の吊橋
「すごいね」の一言も言わない。
1324
その先は再びガケ
ここも平気のへのさで、ほいほい進んでいく。
1324
カメラを縦にしてみる。
下はこんなかんじ
1344
上はこんなかんじ
さらに進む
1359
すっかり高度慣れしたようで、
なんのことはなく、歩いていきます。
1400
壁にワイヤがついているので、怖さは感じない。
1420
歩きは慣れて来た。
1423
1445
東谷吊橋で右岸に渡ります。
前をひとりの女性が歩いていましたが、
手すりに掴まりもせず、
トコトコトコと、渡りきってしまいました。
私も真似して、トコトコと歩いてみましたが。
真似できませんでした。
「もし、板を踏み抜いたらどうしよう」
この「もし」が、ついつい、手をワイヤに持っていく。
どうしてもワイヤに掴まってしまう。
あらためて、先ほどの女性の方は、すごいな、と思いました。
1448
東谷吊橋で右岸に渡り、トンネルを通ってダムに出て、
ダムの上を再び左岸へ
1507
仙人ダムの天場を通って、左岸へ行ったら
一旦ダムの中にはいり、トンネルの中を通って進みます。
1511
ダムを過ぎたら宿舎があって
権現峠という高台を乗り超えたら、阿曽原温泉小屋なのですが
この峠越え、正確には山の肩の部分を乗り越えていくので
峠ではないような気がするのですが。
1543
この場所は激坂を登ってきたところ。権現峠です。標高が980m
そして阿曽原温泉小屋の標高が860mですので、120mの下りです。
1544
崩壊箇所は乗り越えていく。
乗り越える部分に掴まるものはない。
1603
そうして、坂を下って、さらに下って、阿曽原温泉小屋へ着く。
テント受付済ませて、テントを張る。
見てのとおり、平日なので少ない。
この後、暗くなるまでに4張りくらい増えたか、というところです。1641
今回いちばん気になっていることは、夜かなり冷えるだろうということです。ひょっとすると零度近くになるかもしれません。
では明日の朝・・・・
次の日
トップページへ