北岳、間ノ岳

南アルプスの北部に連なっている北岳、間ノ岳、農鳥岳の三山を白峰三山と呼ぶ。細かくみると北岳(3193m)、中白峰(3055m)、間ノ岳(3190m)、西農鳥岳(3050m)、農鳥岳(3026m)の5座が南アルプスの北部に連なっている。
古くから、北岳、間ノ岳、農鳥岳一帯の、これらの山々は「白い雪をかむった山」という意味で白根山または白峰山と呼ばれた。
その中で、北岳は、標高3193 mの山。富士山に次ぐ日本第2位の高峰である。

間ノ岳(3190m)と北アルプスの奥穂高岳(3190m)が3位タイ、5位が槍ヶ岳(3180m)、6位がジャンダルム(3163m)なのですが、ジャンダルムとか農鳥岳とかは奥穂高岳や西農鳥岳の付属の山と見なされていますので順位がつきません。6位は悪沢岳(荒川岳)です。三峰岳(みぶだけ)は21位ですが、ここは間ノ岳の付属の山と見なされていますので、これまた順位はつきません。
中白峰(3055m)も14位ですが、北岳の付随山とみなされますので順位なし。
そして7位が赤石岳(3120m)、8位涸沢岳(3110m)となります。2位から13位までは南北アルプス組が占めています。14位ではじめて南北アルプス組以外から御嶽山(3067m)がランクインです。余談ですが、92位に宝永山(2693m)が入っているのですが、ここは富士山の付属の山ですので、順位はつきません。
100高山の中で南北中央アルプス以外でランクインしているのは9座です。その中で八ヶ岳が6座ランクイン。その他が3座となります。その3座は富士山(3776m)、御嶽山(3067m)、白山(2702m岐阜・石川)です。

今回は北岳に登ります。ルートは広河原テント場(1529m)〜白根御池小屋(2200m)〜北岳肩ノ小屋(3000m)〜北岳(3193m)〜間ノ岳(3190m)〜熊ノ平テント場(2500m)


場所と
概要
北岳登山・・・・広河原から熊ノ平往復。
日時  2023_09_12〜13
距離と
標高差
距離往路 12km 復路 11km


今回は夕方までに広河原に着けばよいので、ゆっくり出発で楽です。
甲府のひとつ先の竜王まで電車でゆっくりと行きます。
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中央線竜王駅前 甲府よりひとつ先の竜王駅で電車を降りた。 
竜王駅前。広河原行き停留所でバスを待つ
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その時刻表
広河原行平日は12時5分発が最終で広河原に13時58分着です。
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バスに乗り、芦安駐車場や夜叉神トンネル前駐車場などを経由して広河原へ
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広河原到着 14時頃
新しい広河原小屋
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吊り橋の上から新しい広河原小屋を左手に見たところ
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反対の上流側、旧広河原小屋。今はテント場だけ
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そこにテントを張る。900円。ここは標高1500mくらい。
水、トイレはすぐ近く
今回からテントはダブルウォール(ダンロップ)にした。春、秋そして標高の高いところは冷えるので、今までのシングルでは寒くて寝れないからです。
で、食料の話、明日の朝まではテント場はバスを降りてすぐなので、2食は背負って登らなくてよい。なので、多少重い普通の弁当を買ってきた。ついでに明日の昼用としておにぎりも買ってきた。よって、明日の昼までは煮炊きの心配はいらない。
吊り橋あたりは携帯が通じるようだけど無駄な使用はやめてバッテリーの節約に努める。
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夜中に風がなかったので割合暖かかった。その分、テントカバーの内側が結露していた。小さなタオルで拭いた程度で袋に押し込んだ。
ここで、テント袋が2つになっている意味が初めて分かった。インナーテントは乾いている。それに対してアウターはじくじくの結露なので、分けて袋に入れると扱いやすい。
暗闇をゆっくり上っていくのだけれど、ライトをともしていても、ライトの照らしている点は絶えず動き、目の焦点が合わなくて、平衡が保てず、少しフラフラしながら登っていく。
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どうにか明るくなってきた。
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荷物の重さは9.5kg
この段階では水は600mlほどしかもっていない。途中の白根御池小屋jまでに手持ちの水を飲み干して、そこで2リットルほど汲んでいくつもり。
時々スマホを出して位置や時間を見て安心したいので、スマホは腰に下げたい。そして水も腰につけて、いつでも飲めるようにしたい。なにしろリュックをいちいち下ろすのが面倒なのです。甘いものなども、すぐ取り出して舐めたい。だから腰のまわりに色々ぶら下げる。と、ズボンがずりおちてくる。歩きにくくなる。その都度、帰ってから、いでたちを改良していくのです。
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白根御池小屋 テント場
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白根御池小屋から上を見たところ。やはり写真で見ると平に見える。
実際はもっとせりたっています。
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時々、団体の方々に遭遇します。みなさん結構荷物が多い。小屋泊まりにしては荷物が多いが、テント泊の用意はしていないみたい。
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北岳が見えてきた。
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このリュックは大峯奥駈道を歩いたときに使った。
実はもう一段階小さなリュックにしたかったが、どうしても荷物が入りきれない。
大峯奥駈道の時は雨具はポンチョを持って行った。ポンチョではこのリュックをカバーできなかった。そして、険しい稜線を歩くだろうということで上下セパレートのカッパを持ってきた。そしてテントを新しくした。今まではシングルで800g程度だったが、今回は1.5kgある。当然重量は増える。
この2つだけでもずいぶん重くなったと思うけど、なぜか1kg程減っている。なぜだろう。たぶん食料を少なくして、テントをダブルウォールにした効果で衣類を減らすことができたためだと思われる。
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渋滞しているわけではない。
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写真で見てもこの急峻さ、実際は真上に見える。
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それでも、皆さんは結構な荷物を背負って上っていきます。テントを背負っている人は珍しい。なぜテントを持っているかどうかわかるかというと、マットがあるかどうかです。
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右後ろを見ると仙丈ケ岳
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北岳、肩の小屋に到着
今日は最高の天気だと思ったが、霧が出てきた。
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さらに上る
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両俣分岐
この右側からの道は北沢峠から両股を通って、左股にはいり登ってきた道です。
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左手に富士山が見えている。
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さらに上っていくと北岳頂上が見えてくる。
写真を撮ったり、くつろいだりしている。
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このガレ場を登っていく。
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はるか雲海の向こうに富士山
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北岳頂上到着
今までアウターテントを干す場所がなくて、ずーっと湿ったテントを背負ってきた。「どこぞでテントを干そう」と思い続けてきた。
荷物の整理は何度も何度もやりたいのだが、時間がかかるし面倒なので先送りしていた。
ここで、休憩で荷物の整理と合わせてテントを干した。
と、何をどこにしまいこんだか、わからないものがある。すべてテントの中で扱っているので、テント場に置き忘れてきた心配はないが、リュックのどこにはいっているのかわからない。一度整理して、頻繁に使うものを表面の取り出しやすいところへ移動する。そんな作業をします。腰に下げた水が少なくなってきたのでリュックの中の水を腰のボトルに補給します。
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北岳山荘へ向けて下っていく。
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頂上からすーっと下れると思っていたが、そうはなっていない。
あっちに巻き、こっちに上りしながら下っていく。
前を歩いている人は小屋泊まりの人だろう。マットを持っていない。
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さらに霧が出てきた。ずーっと天気予報を追いかけてきて、今日がベストという日を選んで出かけてきたのだけど、霧はでる。
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山荘に着いた。
あのきれいな屋根で水を確保しているのだろう。
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北岳山荘を過ぎて間ノ岳に向かう。
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長い稜線歩きが続く。
メモ帳を見ると、この辺で、「少し頭痛い」と書いてある。急激に高度を上げたため、軽い高山病と脱水症状になっているのかもしれない。そういう場合は休んではいけない。寝るなどというのはもってのほか。ゆっくりと歩き続けるのだ。
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両側から霧が立ち込めてきた。
雷予報は出ていなかった。
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朝4時から歩きっぱなしで、かなり疲れた。間ノ岳から下りてくる人たちは軽やかに下ってくる。自分は疲れているのだ。と、自覚する。
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そして、やっと間ノ岳についた。標高3190m。北アルプスの奥穂高岳も3190mなので3位タイということになっている。(2014年4月からそういうことになった)。


疲れた。もう登らなくてもよい。熊ノ平まで下りのみ。のはず。
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滑って落ちたら、どこまでも落ちていくと思うでしよう。
いや、そんなことはありません。めいっぱい手を広げて大の字になれば、ずるずるーっと止まります。
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行く先を間違わないように石に目印がしてあり、それを見て進んで行けは゛迷うことはない。
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しかし、好き勝手に歩くと、どうにも進めなくなって引き返すことになる。が、引き返すときに元に戻れるかは運次第。なぜなら、引き返す道順の目印はないから。
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三峰岳(みぶだけ)
2999m
3000m級の山が21座あると聞いたことがある。
聖岳が3013mで21位。(高さ順の100山リストより)
では、22位は、この三峰山か。
たしかに2999mと書いてある。

だが、22位は剱岳2998.6
23位は水晶岳2986。そしてずーっと見ていっても、
ないのです。三峰岳(みぶだけ)がない。
そうです。ここは間ノ岳の付属の山と見なされています。
ジャンダルムとか農鳥岳とかも奥穂高岳や西農鳥岳の付属の山と見なされています。ツインピークスの山々は当然、どちらかの山の付属と見なされます。
ま、こういうことは、あるだろうとは前々から思っていた。
富士山の宝永山は山か、と考えたことはあります。確かに宝永山も除外されています。
そして、実は北岳と間ノ岳の間にある中白根山も槍ヶ岳の横にくっついている小槍などもそうです。100高山から除外されています。
では、そもそも間ノ岳は北岳の付属ではないのか。そのへんの基準はわからない。
100名山は人が決めたものだから、当然基準があいまいだ。勝手に決めるなよ、ということで100高山はどうかというと、また、このような問題が見えてきます。「そもそも山とは何だ」。ということになります。困りましたね。
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そんなこんなで、ガリガリの斜面のガレを歩いて下りていく。
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尾根筋の道がはてしなく続く。誰もいない知らない道をひとりで進んでいくのは足が進まない。
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岩、大岩を乗り越えていく。
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急斜面を横に歩いていきます。
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熊ノ平小屋が見える。ここから2キロくらい。左手に進み、大きく回りながら下りていきます。
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風よけのあるところにテントを張る。そして夜露を嫌って木の枝下に張る。
水場は近い。小屋は遠いのでトイレが困る。
次の日
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