西穂高岳⇒奥穂高岳⇒槍ケ岳縦走(テント泊)
2日目 2024_09_12 西穂高山荘から奥穂高山荘まで 5.1km
1日目はこちら
日本の一般登山道で最も危険な道
といわれているのが「西穂高岳⇒ジャンダルム⇒奥穂高岳」の縦走コースです。
西穂高岳と奥穂高岳を結ぶ稜線は周囲から見るとノコギリの歯のような形をした峻険な岩場の連なりです。
ここを歩くのは、かなり大変です。
西穂から奥穂へと向かった場合、問題なのは
間ノ岳からの下り
、これが危険。
天狗のコルとジャンダルムとの標高差
、天狗のコルからのキツイ登りの後にジャンダルム、ロバの耳、馬ノ背と続きます。とくに
ロバの耳の下り
は、下りていく先の足場が見えないほどの直下降で、鎖もなく、下降距離も長いし、体力的にもきつくなっているので非常に危険です。
本日は西穂高山荘から奥穂高山荘まで歩きますが、お昼までに到着する計画にしています。昼過ぎると天気が急変して雨が降ってくる可能性があります。テント泊装備を背負って歩く濡れた岩場は非常に危険です。
よって、4時にスタートです。険しい区間にはいる頃には明るくなっているでしょう。
パッと見たところ、静かな山々にみえますが、その山々をしっかり見ていると、あちこちの岩肌に必死で取りついて登っている人たちがいますし、用心に用心しながら鎖のない絶壁を下りている人を見ることができます。見ているだけで尊敬します。
本日の歩行距離は5.1kmほどで、普通の山歩きに比べると非常に短いのです。上り下りが激しく、それも絶壁の上り下りですので距離は短く予定しています。午前中に、その日の行程を終えるように計画しておかないと、先に書きましたが、午後になると天気も崩れる傾向があるし、何より精神的にあせりも出てきて、注意散漫になり、危険です。
0345
西穂高山荘から、暗いうちにテント撤収して出発です。夜の間に雨が降ったようで撤収したテントはビショビショで重かった。
ライトを頼りに暗い坂道を転ばないように慎重に登っていきました。杖になるような棒切れを見つけながら登っていきますが、とうとう見つからなかった。
0504
1時間15分くらいで西穂高独標。この山は11峰となっている。この山の手前、山荘側の山が12峰と言われる。ここまでは険しいところはなく、普通の山道でした。
ここから西穂高岳まで800mくらい。上の図の標高は資料によってばらつきがあるので正確ではない。
0506
独標から奥穂高岳の方角を見た景色。
これから歩く山々。暗く写っていますが、目で見るともう少し明るくて、もうライトは必要ない。波形のような稜線をひとつづつ、登ったり下ったりして進んで行きます。
0513
10峰。ここから西穂高岳まで10個ほど登り下りをくり返していきます。最後の1峰が西穂高岳の本峰。
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振り返って西穂高独標。西穂高独標は11峰になる。頂上に人がいる。
0531
8峰はピラミッドピークと呼ばれている。
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8峰から7峰を見ている。これから歩いていく山々。
7、6、5峰とひとつひとつ越えていきます。
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今は4峰にいる。振り返って見て左から8峰、7峰、5峰。
このようにギザギザの山々を乗り越えてきたところです。
ものすごく面倒くさい。夢中で越えて来たから、きつくはなかった。
0549
左から8峰、7峰。後ろの方に焼岳。8峰の上に人がいる。
8峰の上に人だかり。
0553
チャンピオンピーク、4峰です。
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遠く笠ヶ岳あたりの景色です。
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3峰を過ぎて、ここ2峰は巻いて通過です。
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西穂高岳の頂上までもう少し。
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西穂高岳到着。ここが1峰です。
西穂高岳から焼岳方面を振り返っています。
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西穂高岳。2909m到着です。
0620
西穂高岳から上高地を見下ろしています。
逆に大正池から見たところです。
0628
奥に槍ケ岳。涸沢岳と北穂高岳が完全に重なっている。
右端に小さく丸く、こんもりと盛り上がっているのがジャンダルムと奥穂高岳、この2つも重なっている。
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中央の丸いのがジャンダルム。
0630
左手のトンガリが槍ケ岳。
振り返って西穂高岳
先に進んでP1
0639
P1ピーク。
前方ジャンダルムの方を見ます。
ここから高い鎖場が登場します。ここから難路ですよ。「一般登山道ではありません。経験者向けの難ルートです。重大な遭難事故が度々発生しています」と書いてある。鎖はほとんど設置してありません。
今まで12個ほどのピークを乗り越えてきましたが、これからが本番です。本格的な上り下りがはじまります。
---まぎらわしいのですが、厳密には1峰とP1は違います。
1峰は西穂高岳の山頂をさす。そして間ノ岳のほうへ少し進んだところ(水平距離100m)にある小ピークがP1。
ではP2と2峰はどうかというと、これは同じもの。
振り返ってP1ピークから西穂高岳。
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頂上に人がいます。↓
P1から西穂高岳を見たところ
P1の説明
0641
浮石が多くて、非常に気を使います。
西穂とP1の中間から西穂を見たところ
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石のトンガリの先を掴んで下るというかんじになります。その石は割合大きく、互いに積み重なっているのでびくともしない。それに○印のルートは多くの人が通行しているため、ぐらつく石は淘汰されてるだろうから、安心して体重をかけることができます。
矢印のところで人が降りています。
拡大すると下の写真
場所は変わって、こちら、下の崖では
0655
石のトンガリ部分に手をかけ、先ほど手をかけて登った石に足をかけて懸垂をしながら、懸垂を繰り返しながら上って行きます。
拡大すると下の写真のようになります。
ほとんど垂直の壁です。
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各々の石が大きいため、ぐらつかない。
今まで岩場を上り下りするときは、無意識に3点支持で動いていましたが、今回は特に、絶対揺るがない足場を確保して、絶対動かない、支えるだけでなく、掴まることのできる岩を掴み、それを確認した後、両手両足のうちのひとつを動かして移動するよう注意をしています。
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P1下り途中から赤岩岳をみたところ
0701
矢印のところを人が登って行くのが確認できます。
拡大しますと。こうなります。↓
岩の突起に掴まって安全を確保しながら上って行きます。
0711
このような割合ゆるい勾配のところを下るときも、ザックが引っかかったりしないように谷に背を向けて下ります。
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間ノ岳の登り。
ここは、石が少し小さいので、まともに体重をかけると、グラリと動きそうで、かなり怖かった。大きめの石で、かつ斜面にがっちり食い込んでいそうな石に手をかけて登っていきます。
落石事故防止のため、先に行く人が上り終えてから進みます。
「どうぞ、無事で登ってください」と心から思うのです。滑落したら、我が事と同じように大変なことになるのです。お互い様なのですが。
0733
振り返って赤岩岳+P1+西穂高岳
西穂高岳とひとつの山に見えるけど違う。
そして撮った写真を個別に見てみると山肌がとても似ているので貼り付け間違いをしそうです。。
そして北の方角。天狗の頭とジャンダルム。
0735
今いるところは浮石だらけの間ノ岳です。逆層スラブ、間天のコルに向けて下ります。
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間ノ岳を下ったところが逆層スラブです。
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逆層スラブが真下に見えます。が、それどころではない。
ここ間ノ岳から間天のコルまでの下りが、とにかく険しい。
今回の歩きで、険しさの順を言うと。こことロバの耳の下りがいちばん、次に涸沢岳のくだり、その次に大キレットという順番でした。なんといっても鎖がないのです。
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大きく下ります。気が抜けない。
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振り返ってみたところ。すれ違いに、登っていく人たち。
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どうにか下りてきて間天のコル。そして逆層スラブです。ここは写真で見るより傾斜はなだらかで左手の方に鎖がついている。矢印のところに人か写っています。この大きさです。
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振り返って間ノ岳。ここの下りはきつかった。とにかく鉄棒懸垂の練習はしておいたので、なんとか切り抜けた。
間ノ岳。矢印のところが人のいるところです。
拡大したものが下の写真です。
0815
前へ進みます。
天狗ノ頭へ向けて登っています。このようなところを登ります。○印があるのはわかりますが、どこに手をかけるかは各人で探します。
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天狗の頭
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天狗のコル
ここも急降下です。後ろ向きに掴まる岩、足をかける岩、手と足、それぞれ2個ずつ探し、一歩ずつ、一手ずつ下っていきます。
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振り返って天狗の頭。人の姿が確認できます。
このように見えます。
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ジャンダルムへ向けて登っていきます。
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○印に沿って上って行きます。
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そして、ジャンダルムです。
ジャンダルムに登る場合、西穂高側から登ると、登りやすいので、ずんずん上って行きますと、どこでも登れる。霧のあるときなどは、間違いやすい。間違ったルートの場合、突然登れなくなる。そこで「しまった」と思って下ろうとすると、これがなかなか難しい。気を付けましょう。
1009
1019
天狗のコルからのキツイ登りの後にジャンダルム、ロバの耳、馬ノ背と続きます。とくにロバの耳の下りは直下降ですし、長いので体力的にもきつかった。
さあ、ロバの耳の下りです。大キレットよりも、ここがいちばんの難所だと聞いておりました。
1055
ロバの耳下り途中で上を見たところ。
ここを、ぶら下がるようにして下りてきた。ぶら下がったら足が着かなかった。横にある飛び出た石に掴まれば下りれそうだったが、その岩がぐらつきそうだったので、10キロほどのリュックを背負っての懸垂、これはきつかった。そのようにして登り返して、もう一度、下の足場を確認して、横にずれたところの岩にぶら下がってやっと下りてきた。今回の縦走ではここがいちばんヤバイと思った。
1111
奥穂が見えてきました。手前に馬ノ背、それを登って下って、そして登って奥穂です。奥穂の頂上に人がいます。
馬ノ背の文字
1111
手前、馬ノ背を下りてくる人。
1115
奥穂の前にウマノセを通過しなければなりません。ここを登ります。
1115
馬の背を下ってくる人
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ウマノセと書いてある。
1117
左に巻けそうですが、そうではない右に巻きぶら下がりぎみに直登する。写真ほど怖くはなかった。
ただし、稜線を這って上り下りすると怖いと思う。
1118
ここに足を乗せて、稜線部分に掴まって、ぶらさがるようにして横移動した方が楽だと思います。
1124
これを乗り越えていくのです。なんか、もやもやっとした、いやな感じです。
1131
振り返ってジャンダルム
ジャンダルムの裏からまいて下りてきて、ロバの耳のところを下るのが怖かった。
頂上に人が立っています。
1131
ジャンダルムの手前の窪みのところから飛騨側斜面を下りるのに足がかりを探すのが大変だった。思いっきりぶら下がって、足場を探すのだけれど、足がかりになるものがない。懸垂して、もう一度登って、横へずれて、足を伸ばしてみたら、足に触るものがあったので、そこへ足をついて下りた。そして、次の手がかりを探した。
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そして、奥穂高岳 人がいる。
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奥穂高岳頂上
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奥穂山荘が見えて来た。
1156
奥穂山荘。スパイものの映画に出てくる要塞みたいです。
1202
段々の狭いところにテントを張るのですが、奥にテントを張る人は前面のテントの横を通るのに難儀します。
本日歩いた結果ですが、誰もいない山をひとり寂しく登ったり下ったりしてきたみたいですが、遠くの山々をよーく見ると、たくさんの人たちが岩に取りついて登ったり下ったりしているのがわかります。必死で汗をかいて動き回っています。
「よくもまあ、皆さんこんなところを通っているなあ」というかんじです。目印のペンキで書いた「○印」はあるものの、鎖などはないのです。終始、危険と隣り合わせでした。とくに怖かったところは、間ノ岳直下の急登とジャンダルム先のロバの耳の下り。今回はこの2つが怖いと思ったところでした。
誰かを誘ってもう一度来るか?。と問われたら。「ごめんこうむります」。と答えます。上り下りの回数が数えきれないくらいあるし、腕の力が必要だし、荷物が負担なのです。
次の日
奥穂高岳山荘からババ平キャンプ場まで
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